無料ブログはココログ

« 寺よ、変われ | トップページ | 抵抗について »

2009年6月22日 (月)

アンプ修理

このところ、知人の依頼を受けてアンプの修理を行っている。

マッキントッシュプリアンプC-29,マランツパワーアンプP510M、カラオケ用デジタルアンプ3台、Lo-DプリアンプHCA-8000,PA用4chパワーアンプの7台である。

マッキントッシュのプリアンプC29はパワースイッチのロックせず不良で内部を調べると隣の8連プッシュスイッチと一体フレームである。当然ながら交換パーツの入手は不可能。ということで、パワースイッチ部を無理やりはずし、別の似たようなスイッチを買ってきて取り付け、なんとか周囲を削り、曲げ、スペーサを追加して取り付けた。なぜ8連のうち、このパワースイッチだけ故障したのか、構造を見て分かった。スイッチ電極がプリント基板に挿入されていないのでぐらぐらしているのである。配線リードを引いてきて半田付けしているだけだから、固定強度がまったく弱い。r左右の爪のカシメのみで、8連にぶらさがっているというわけだ。これが54万円のプリアンプである。なぜこんな馬鹿な構造を採用したかと言えば、想像するに、リードをプリント基板に挿せば、基板が電源一次側電源部を有するゆえ、安全規格が厳しくなるからではないかと思われる。そうだとすると発想が貧乏臭いよね。超高級プリアンプだっていうのにさ。

 中の回路はすべてオペアンプだった。しかもソケットを使っている。オペアンプだとなんとなく安物と言うイメージがあるけどなあ。価格が高いから高級なのかも。

 マランツのパワーアンプは250W+250Wというマンモスアンプで持ち運びはぎっくり腰対策が必要。巨大なトランスが鎮座ましましてござる。ヒューズが飛んだらしくホルダーはもぬけの殻だった。15Aヒューズを購入して電源ONしてみたら抵抗から発煙してヒューズが切れた。発煙がセメント抵抗から出ている。リアパネルでパワリレーの端子に直接半田付けだ。なんだこの回路は?とじっくり眺めると、ラッシュカレント防止用の10Ω10W抵抗で、ON後数秒で短絡されるものだと判明。すると時定数どおり短絡されないのか?リレーが接触不良か?などなど、考えたが、いずれにせよ抵抗は新しくしなければなるまい。抵抗を新品にしてから電源を入れる前に±B回路をはずしていくと、正常にONすることがわかり、パワーアンプの±B短絡であることが分かる。Lchが死んでいることがわかった。パワアンプ回路基板を分解してみるとメタルCANトランジスタが8個並んでいる。モトローラの石だ。4パラのコンプリメンタリかと思ったが、シリーズパラレル方式になっていることが分かった。パワーを出すためにパラレルで電流を稼ぐのでなく、コレクタ電圧を上げてPcを分担していることが分かる。最大定格のVceoが60Vしかないのでこういう方式になったようだ。±Bは93Vもある。4パラなら死んだコンプリメンタリを除外して3パラあるいは2パラで駆動する手があるとにらんだのだが、これではB電圧が高くて駄目だ。

それにドライバーからプリドライバーまで死んでいるとなると修理は無理かも、別のトランジスタに大幅に変える手もあるけど設計のやり直しから始めなくてはならない。依頼者に報告したら、廃棄してください、というので、改造利用法をゆっくり考えるとする。

カラオケ用デジタルアンプ改造、BMBというブランドのアンプで150W+150Wで入力レベルによるファンクション切り替え自動追従機能があり、クラシックのピアニシモで無信号と誤判定され、別ファンクションに切り替わるのを何とかしてくれという依頼なので、プリアンプ機能をすべて殺してメインボリウムつきパワーアンプに変える手はどうか、と提案したところ了承され、ダイレクトパワ入力アンプに改造変更。トロイダルトランスに16000μF2本の電源でしっかりしている。音質は透明感のある上質なものだった。改造がすんで返却したら、すぐ同じものを2台追加で同様の改造を依頼された。マルチアンプ駆動しているとのこと。ハァー、うらやましいのう。

Lo-DのプリアンプHCA-8000のLch動作せず、という故障修理依頼。

ばらして基板パターンをあらわにして、入力端子から信号を入れながら、パターンをオシロスコープで追うこと5時間、ついに故障箇所発見!なんとバランスボリウムだった。スライダー端子に出力がない。スライダー浮きか、ガリオームではない。以前にパイオニアC-90も同じ不良修理したことがある。バランスボリウムというのは信頼性がないのか?あるいは中点(12時)では左右は単なるゼロΩ接点で左右に回したほうにそれぞれ抵抗体があるので、銀の硫化はしやすいのかもしれない。依頼者に提案としてバランスボリウムなんて使わないでしょ、ジャンプしてしまいましょ。ということで了承を得てバランスVRをジャンプした。音質的にも接点箇所除去はいいはずだ。

最後のPA用4chパワーアンプ100W×4chのようだ。大型トランスが中央にデンと胡坐をかいている。扁平コイルコアタイプだ。コンデンサは12000μF×4本、2chづつBTL接続も可能になっており、入力は4回路ともキャノン端子でRCAはない。電源ONしても保護回路が働いてしまうと言うもの。

案の定、1chのパワアンプ基板で抵抗が3本焼け焦げ、パワトランジスタのリード部で基板が焦げっぽく変色している。おそらくコンプリメンタリペアは死んでいるはず。パワトラのベース抵抗が焼けているのでドライバートランジスタも過電流になって死んでいるはず。プリドライバーや低電流負荷、アイドル制御Trもイカレているかな。まったくNFBアンプは破壊するときは道連れに犠牲を多くしてしまうからなあ。殉死する周辺部品も律儀なものだ。

ところでなぜパワー段が死んだのか?じっと見つめるとなにやら液体の痕跡が、、、。ボンネットケースの裏側を見ると、あるわあるわ、何か流れた跡が。ははぁん、パワアンプのどこかにポタッと落ちて一挙にパワー段に大電流が流れて死に、ドライバー類も殉職したようだ。DC検出が働いて4chすべて動かないと言うことのようですね。ジャンジャン!

このアンプも古くてトランジスタ類のパーツ入手が困難だと思われるが、いろいろ探してみるか。サンケン2SA1492と2SC3856のペアのようですな。まあ最大定格が入れば適当なものをつけて発振チェックと適当な位相補正をすれば使えるかもしれない。

回路図無しでこういう作業をやっているが、時間の大半が回路図作成だ。交換パーツが潤沢にあるわけでもないので、むやみに交換することもできず、この部品だ!と確信が持てるまで追い込まなくてはならない。購入部品を最小にしておかないといけないからだ。

頭の体操やっているようなもので苦痛ではないけれど。汗だくで作業するが、視力の低下はいかんともしがたい。カラーコードが読めない。部品名が読めない。老人力の向上はここでも自覚されます。

« 寺よ、変われ | トップページ | 抵抗について »

オーディオ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517060/45421153

この記事へのトラックバック一覧です: アンプ修理:

« 寺よ、変われ | トップページ | 抵抗について »