真珠湾奇襲とアメリカの戦略
大東亜戦争のなかの決定版である日米戦争開始は日本海軍の連合艦隊によるハワイ真珠湾奇襲に始まり、奇襲に成功しながら、しだいに劣勢になり2発の原爆投下で終わった。
このハワイ真珠湾攻撃は、アメリカにリメンバー・パールハーバーという国民の愛国心を覚醒させたこと、宣戦布告が大使館の不手際で30分遅れたこと、アメリカ首脳は実は事前に知っていたこと、などをめぐってこれまで何度も論じられている。
このアメリカは事前に知っていながらわざと攻撃を受けたのは、なぜか?
日本のだまし討ちを誘い、米世論を戦争に向けるため、とか、どうせたいしたことはなかろうとタカをくくっていたとか、日本に先に手を出させ、やむなく立ち上がるというポーズが、大儀があると考えていた、とかいろいろ言われている。それぞれもっともなことだと思う。
ここでは、アメリカが実は事前に知っていた、ということはどういう意味か、を考えたい。ハワイ真珠湾守備隊責任者は、やられっぱなしだった責任をとらされているが、戦後に政府首脳は知っていたのに現地に知らせなかったとして証拠をあげて訴訟を起こしたが、精神異常者扱いされている。
普通言われているのは、日本に先手を打たせるため、というのが定説だったが、実は暗号文解読能力を悟られたくなかった、というのが真実のようだ。
暗号解読能力を持ったということは、それに小躍りするのではなく、秘匿することでより大きな効果をあげることを目的とするので、あるときは味方の損害をあえて甘受する冷酷さが求められるのである。
それは、敵に暗号がバレたと悟られたら、暗号システムを更新されてしまうからである。あくまで知らないことを装い、愚かな振りを続ける必要がある。
それにしても、アメリカ太平洋艦隊の基地たるハワイ真珠湾の壊滅まで覚悟して、いや覚悟したかどうかは確かでなく、ある程度の被害しか想定しなかった可能性もあるが、この能力を秘匿して、ハワイ艦隊を犠牲にしたアメリカという国家の真の恐ろしさがある。
しかし、日本の情報無知を考えれば、そこまでする必要は実はなかったのだ。暗号が解読されているなどと一度も疑わず、終戦までひたすら同じ間違いを続ける日本軍の特質を知っていれば、ハワイを犠牲にする必要はなかったのだ。もちろん後知恵だが。
で、このアメリカ首脳の冷徹な戦略思考が日本に持てただろうか?たまたま米軍の動きを事前に察知して、これをかわす行動に出るのでなく、あえて攻撃を受けることで、知らん振りを通す、という意識は日本人に持てるだろうか?という問いである。
開戦前の日米交渉でハル国務長官から、中国大陸からの撤兵を求められ、そんなことをしたらこれまでの数万の英霊に申し訳が立たぬ、という陸軍の反対が強くとても飲めない、ということで決裂して行った。
そういう民族的特質が強い日本人が、あの1個師団は生贄にするのも止むを得ない、という判断ができるだろうか?おとり作戦というのは伝統的にあるが、自軍の意思を秘匿するために、味方を生贄にする、という発想はできないのではないかという気がする。
日本軍の兵の消耗に対する意識は銃火器の消耗よりも軽いのではないか、と思われるほど突撃、肉弾攻撃、特攻、自決をする民族で、人命は実に軽いものだった。
それでも、アメリカのような冷徹な判断はできないだろうと思うのだが、アメリカは軍事に対する政治の優越がしっかりしているからだろうか。それは当然あるべき姿であるが、
ではシビリアンコントロールを是とする日本の政治家、閣僚にそういう覚悟があるか、、、、、あるわけないか。
大統領ルーズベルト、国務長官コーデル・ハル、海軍長官、陸軍長官、統合参謀本部議長の5人の陰謀であるが、こうしてまんまとはめられたのが日本である。
日本の宣戦布告(というより交渉決裂通告文)が開戦に間に合ったとすれば、アメリカは困惑したことだろう。ハワイに攻撃の可能性を知らせなければならないからだ。すると後の議会対策はかなり大変だったろう。ルーズベルトらは小躍りしたのではないか。
奇襲の報を得たチャーチルは「しめた!これで勝てる」と言ったし、ヒトラーはしばらく自室に籠もった。
能力を隠す重要性が上記だが、ない能力をあるかのように見せることも戦略の一つだ。レーガンのSDI(いわゆるスターウォーズ計画)は技術的実現性に??のものが多かったが、ゴルバチョフが焦ってくれたので、冷戦が終了しソ連は消滅した。
こういう情報戦の重要性は見えにくい、というか見えないものなので、一般国民が理解するのは無理だ。だから政治家の重要性があるのだが、現実は、、、、、言うだけ無駄か。


>日本の宣戦布告(というより交渉決裂通告文)が開戦に間に合ったとすれば、アメリカは困惑したことだろう。
???暗号解読が悟られずにハワイに危急をしらせられるのだから困惑しないのでは?
>奇襲の報を得たチャーチルは「しめた!これで勝てる」と言ったし、ヒトラーはしばらく自室に籠もった。
三国同盟は防御協定なので、日本が仕掛けた以上ドイツに参戦義務はない。チャーチルが同盟を知らないわけでもないし、勝てるといった真意が図りかねる。当時の外相のノイラートは参戦義務はないといったそうだし、独ソ戦で中立を守っている日本のために戦う義理もないだろうに。ヒトラーがなぜ対米戦を決意したのか。なぞだ。
投稿: YO!! | 2009年5月27日 (水) 20時24分